盤を囲んで、笑顔が広がる。地域の囲碁・将棋サロンで、新しい居場所を
はじめに
一人で過ごす時間が増え、「何か地域でできることはないかしら」「誰かとお話したいけれど、大勢の集まりは少し気後れしてしまう」と感じていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方にとって、地域の小さな活動に参加することは、新しいつながりや日々の楽しみを見つけるための一歩となります。今回は、落ち着いた雰囲気の中で、じっくりと交流を楽しめる「地域の囲碁・将棋サロン」をご紹介いたします。
地域の囲碁・将棋サロンとは?
地域の囲碁・将棋サロンは、文字通り、囲碁や将棋を通して地域の方々が集まる場所です。公民館や地域の集会所などで、定期的に開かれていることが多いようです。
大規模なイベントではなく、数人から十数人程度の参加者が集まり、思い思いに盤を囲んで対局を楽しんでいます。対局中はもちろん真剣ですが、休憩時間や対局の合間には、自然と会話が生まれる、アットホームな雰囲気の場所が多く見られます。
参加者の声に耳を傾けてみましょう(体験談)
「地域の囲碁・将棋サロンって、どんな人が来るのかしら? 私のような初心者でも大丈夫?」とご不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。実際に地域のサロンに通われている方々の声を聞いてみましょう。
Aさん(70代男性) 「退職して家にいることが増え、時間を持て余していました。若い頃に少しかじった囲碁を思い出して、勇気を出して参加してみたんです。最初は皆さんのレベルについていけるか心配でしたが、ここでは経験に関係なく、誰もが気持ちよく打てるように配慮してくれます。手合い(対局の組み合わせ)も、実力が近い人同士になるように調整してもらえるので安心です。対局相手とは自然と話が弾み、気がつけば新しい友人がたくさんできましたよ。ここに通うのが、今の一番の楽しみです。」
Bさん(80代女性) 「将棋は全くの未経験でしたが、『脳の活性化に良い』と聞いて、思い切って見学に行ってみました。ルールも何も分からず不安でしたが、会の世話役の方が基本から丁寧に教えてくださり、少しずつ指せるようになりました。皆さんも温かく見守ってくださり、『いい手だね』『次はこう指してみたら?』と優しく声をかけてくれます。大きな声で話すのが苦手な私でも、盤を挟めば落ち着いてコミュニケーションが取れます。頭を使うのは大変ですが、指している間は集中できて、心もスッキリする気がしますね。」
いかがでしょうか。最初の一歩を踏み出すには勇気が必要ですが、参加してみると、皆さん温かく迎え入れてくださる場所が多いようです。競技として勝ち負けにこだわるというよりは、趣味として楽しみ、交流を深めることを目的としているサロンが多い傾向にあります。
囲碁や将棋の経験がない方、自信がない方へ
「昔少しやったことがあるけれど、もうルールも覚えていない」「全くの初心者で、みんなの迷惑になるのでは?」と心配される方もご安心ください。多くの地域の囲碁・将棋サロンでは、初心者の方を歓迎しています。
- ルールや基本的な打ち方を教えてもらえる: 経験者の方が、優しく教えてくれることがあります。
- 見学ができる: 最初から参加するのが不安なら、まずは見学をお願いしてみましょう。会場の雰囲気や参加者の様子を知る良い機会になります。
- 対局だけでなく、詰碁や詰将棋を楽しむことも: 最初は対局が難しくても、簡単な問題に挑戦するだけでも脳の体操になります。
- 話をするだけでも大丈夫: 囲碁や将棋を打たなくても、会場に行って雰囲気を感じたり、他の参加者とお話をするだけでも、十分な交流になります。
いきなり「打つ」ことを目的にするのではなく、「どんな場所か見てみよう」「どんな人たちがいるのか知ってみよう」という気軽な気持ちで足を運んでみるのが良いかもしれません。
参加方法・費用は?
参加を検討するにあたり、具体的な情報も大切です。地域の囲碁・将棋サロンは、自治体や社会福祉協議会、地域のボランティア団体などが運営していることが多いです。
- 場所: 主に公民館、市民センター、福祉会館、地域の集会所など。
- 日時: 毎週○曜日 午後○時〜、毎月第○ △曜日 午前中、など定期的に開催されることが多いです。開催頻度は場所によって異なります。
- 費用: 無料の場合もあれば、会場費やお茶代として数百円程度の参加費が必要な場合もあります。高額な費用がかかることはほとんどありません。
- 参加方法: 事前の申し込みが必要な場合と、当日自由に参加できる場合があります。「初めて参加したいのですが」と事前に電話で問い合わせてみるのが確実で安心です。
- 必要な持ち物: 特に指定がなければ手ぶらで大丈夫です。碁石や将棋盤などは会場に用意されています。
情報収集の方法: * 地域の社会福祉協議会に問い合わせる: 高齢者向けの活動に関する情報が集まっていることが多いです。 * 地域の公民館や役場の窓口に相談する: 地域で開催されている講座や集まりについて教えてもらえます。 * 地域の広報誌や掲示板を見る: 地域のイベント情報などが掲載されています。
電話で問い合わせをする際は、「ウェブサイトで囲碁・将棋サロンのことを知りました。参加に興味があるのですが、詳しいことを教えていただけますか?」と尋ねてみてください。日時や場所、参加費、申し込みの要否、初心者歓迎かどうかなどを確認すると良いでしょう。
まとめ
地域の囲碁・将棋サロンは、頭を使いながら、落ち着いた雰囲気の中で新しい方と知り合える素晴らしい機会です。「勝たなければ」「上手に打たなければ」と気負う必要はありません。盤を挟んで向かい合い、静かに考える時間、そして、対局後にお互いの健闘を称え合ったり、世間話をしたりする温かい時間があります。
「新しい居場所が欲しいな」「誰かとゆっくりお話したいな」そうお考えでしたら、まずは地域の囲碁・将棋サロンについて調べて、お電話一本入れてみることから始めてみませんか?
地域とのつながりは、きっとあなたの毎日を、より豊かで彩り豊かなものにしてくれるはずです。あなたの一歩を、心から応援しています。